ハトメカーテンを自作する ― サイズ・個数・間隔の決め方と作り方
カーテンレールのポールに、リングを介さず直接通すタイプのカーテンを「ハトメカーテン」と呼びます。上部に大きなハトメが等間隔に並んでいて、ひだが自然なウェーブになるのが特徴です。市販品も多いのですが、生地さえあれば自分でも作れます。この記事では、ハトメのサイズと個数の決め方を中心に、自作の手順をまとめました。
生地を選ぶ前に ― 住まいによっては防炎品が必要
消防法では、高さ31mを超える高層建築物(おおむね11階建て以上)や、不特定多数が出入りする建物について、カーテンに防炎性能が求められます。市販の防炎カーテンには防炎ラベルが付いていますが、任意の生地で自作したものはこれを満たせないことがあります。
対象になるかどうかは建物の階数や用途、自治体の運用によって変わります。集合住宅にお住まいの場合は、生地を買う前に管理会社や所轄の消防署に確認しておくと確実です。
ハトメのサイズは「ポールの太さ」から決まる
ふつうのハトメは通すひもの太さで内径を決めますが、ハトメカーテンだけは事情が違います。通すのがカーテンレールのポールそのものなので、内径はポール径より大きくなければ始まりません。しかもこの用途だけ、他のハトメとは別格に大きいサイズになります。
目安は、ポールの直径に10〜20mm足した内径です。ここで気をつけたいのは、大きければいいわけではないこと。内径がポール径に対して大きすぎると、カーテンがポールから外れてしまいます。小さすぎて引っかかるのと同じくらい、大きすぎも失敗です。
ただ実際には、自由にサイズを選べるほど選択肢がありません。既製品もオーダー品も内径40mm前後が標準で、これに対応するポール径は28mmや35mmが一般的です。市販のカーテン用ハトメも内径35〜40mm程度が中心で、内径25〜30mmのものは入手しづらいのが実情です(2026年9月時点で確認した範囲です)。手持ちのポールが細い場合は、内径の数字だけで決めず、「対応ポール径」の表示がある製品を選ぶのが確実です。
もうひとつ、このサイズになると工具も限られます。ハトメパンチで潰せないのはもちろん、ハンドプレスも大径ハトメ用の打駒(コマ)が作られていないため使えません。内径38mm前後のような大きいアイレットは、専用の手打ち工具(打棒と打皿)とハンマーで打つことになります。工具の選び分けはハトメの道具はどれを買えばいい?にまとめました。
ハトメの個数は偶数にする
ハトメカーテンを作るうえで、ここがいちばん重要なルールです。ハトメの数は必ず偶数にしてください。
理由は、ひだの向きです。偶数だと、カーテンを閉じたときに生地が交互に折れて、両端が窓側(内向き)にきれいに納まります。奇数だと最後の1枚が逆を向いてしまい、閉じたときに端がめくれたような見た目になります。市販のハトメカーテンの多くが偶数なのは、これが理由です。
間隔と生地幅の決め方
ハトメの間隔は15〜18cm前後が一般的な目安です。狭いとひだが細かく本数が増え、広いとひだが大きく緩やかになります。まずは15cmを基準に、偶数個に収まるよう微調整するのが作りやすい手順です。
生地の幅は、仕上がり幅(レールの長さ)の1.5〜2倍を見ます。1.5倍がひだの出る下限で、2倍に近づくほどウェーブが深くなります。ここが足りないと、ひだが出ずにのっぺりした見た目になります。
両端のハトメは、端ぎりぎりを避けて少し内側に配置します。端に寄せすぎると生地が裂けやすく、逆に離しすぎると端が垂れます。ハトメの間隔との兼ね合いで、全体が偶数個に収まる位置を探してください。
上部の補強は省略できない
ハトメカーテンは、カーテン全体の重さがハトメの並ぶ上端一列だけにかかります。生地1枚のまま打つと、開け閉めを繰り返すうちにハトメまわりから裂けます。
市販品では、上部に専用の芯地が入っています(「ハトメテープ」と呼ばれることがあります)。自作する場合も、上部を折り返して二重三重にするか、接着芯や厚手の芯地を挟んで、ハトメが並ぶ帯の部分をしっかり厚くしてください。この厚みを含めた合計が、ハトメの足長を選ぶときの基準になります。
あわせて、カーテンレールやポールの耐荷重も確認しておいてください。自作は生地が厚手になりがちで、既製品より重くなることがあります。上端一列とポールだけで全重量を支える構造なので、補強不足や耐荷重オーバーは「見た目が悪くなる」ではなく「カーテンが落ちてくる」話になります。
作る手順
- 仕上がり幅と丈を決め、生地を裁つ(幅は仕上がりの1.5〜2倍、上下左右の縫い代を忘れずに)
- 上部を折り返し、芯地を挟んで縫い、ハトメが並ぶ帯を作る
- 帯の上に、ハトメの位置を印付けする(偶数個、間隔15〜18cm前後、両端は端から少し内側)
- 穴あけポンチでハトメの足径に合った穴をあける
- 表からハトメ本体、裏から座金をかぶせ、大径用の手打ち工具で打つ
- 左右と裾を縫って仕上げる
印付けまで終わったら、必ず余り布で一度試し打ちをしてください。大径ハトメは1個あたりの単価が高く、失敗のやり直しが効きません。
失敗しやすいポイント
- 個数が奇数になっている … 閉じたときに端がめくれる。印付けの段階で数え直す
- 内径がポール径ぎりぎり、または大きすぎる … 引っかかるか、逆にポールから外れる。+10〜20mmを目安に、「対応ポール径」の表示も確認する
- 上部の補強不足 … 数か月後にハトメまわりから裂ける。落下につながります
- 足長が足りない … 補強で厚くした分を足して選ぶ。合計厚み+2〜3mmが目安
- ハトメパンチやハンドプレスで潰そうとする … 大径サイズには対応する工具が無い。手打ち工具を用意する
まとめ
ハトメカーテンの自作でつまずくのは、ほぼ「サイズ」「偶数」「補強」の3点です。内径はポール径+10〜20mm(できれば対応ポール径の表示で確認)、個数は必ず偶数、上部は芯地で厚くする。工具だけは一般的なものが使えず、大径専用の手打ち工具が要ります。
打ち方そのもので失敗したときは、ハトメがうまく付かないときの原因と直し方に症状別の対処をまとめています。

